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食道がんの症状・原因・治療方法

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食道がんとは、通常、食道がんはほとんどが扁平上皮がんですが、最近欧米では胃がんと同じような腺がんが増えており、この傾向は日本でもみられるようになってきました。食道の腺がんは、逆流性食道炎が長く続くと発生するバレット上皮という特殊な円柱上皮から起こることがほとんどです。バレット上皮のがん化の確率は、正常粘膜(ねんまく)にくらべて約40倍高いといわれています。

症状

早期がんでは80%の人は症状がありません。あとの20%に、物を飲み込むときにしみる、違和感がある、つかえるという症状がみられます。進行がんになると、70%の人が食事のつかえ感をうったえます。

はじめは急いで食べたときに症状が出ますが、ゆっくり食べたり、汁物など液体といっしょに飲み込むとつかえ感がなくなり、病気がよくなったと勘違いして病院に行くのが遅れることがあります。

さらに病状が進むと液体もつかえ、吐くようになり、体重が減少します。進行がんになっても食道壁の2分の1~3分の1周が正常な壁として残っていると、まったく症状がないこともあります。

診断

診断には、内視鏡検査とバリウムによる食道造影検査があります。
食道がんの進行程度は、さらにCT検査、超音波検査、超音波内視鏡検査、MRI(磁気共鳴画像法)検査などで検査します。

早期のがんを見つけるには、食道の内視鏡検査のほうが優れ、食道造影では見つけにくい表面の変化も内視鏡でヨード染色をすることで容易に診断することができます。正常な食道の粘膜はヨード染色で黒く染まりますが、食道がんなど異常な粘膜は染まらず、不染部として白く残ります。

治療方法

比較的小さな早期がんは転移を起こすことがなく、がんの部分を含めて食道の粘膜をはぎ取る内視鏡的粘膜切除(EMR)をおこないます。

また、粘膜下組織にがんが浸潤(しんじゅん)すると、40~50%の率でリンパ節に転移するため手術的に食道をリンパ節とともに切除し、胃や大腸または小腸を用いて再建するのが一般的です。

食道がんの治療は手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん薬)がおもなもので、補助療法として免疫療法、温熱療法などがあります。
進行がんになると手術だけでは治りにくく、手術前後に化学療法や放射線療法をしばしば併用します。

手術療法後の5年生存率は約50%で、以前の20~30%と比較すると目覚ましく改善されました。
以前は、放射線療法は手術が不可能な場合にだけおこなわれていましたが、最近は化学療法を併用した化学放射線療法もいろいろなステージのがんに対して広くおこなわれるようになってきました。