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脳梗塞の症状・原因・治療方法

脳梗塞,脳,血栓,梗塞



脳梗塞とは、脳の血管が閉塞して血行が途絶え、脳組織が酸素欠乏、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。

現在、脳梗塞は、血管の閉塞によって血栓性・塞栓性・血行力学性の3種類に分類され、臨床分類としてアテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓・ラクナ梗塞・その他の脳梗塞の4種類に分類されています。


アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって動脈壁に沈着したアテローム(粥腫)のため動脈内腔が狭小化し、十分な脳血流を保てなくなったもの。また、アテロームが動脈壁からはがれ落ちて末梢に詰まったものもアテローム血栓性に分類される。

アテロームは徐々に成長して血流障害を起こしていくことから、その経過の中で側副血行路が成長するなどある程度代償が可能で、壊死範囲はそれほど大きくならない傾向がある。
また、脳梗塞発症以前から壊死に至らない程度の脳虚血症状(一過性脳虚血発作、TIA)を起こすことが多く、このTIAに対する対処が脳梗塞の予防において重要である。

症状

脳梗塞の典型的な症状は、半身の運動麻痺や感覚障害、または感覚障害、言語障害、失語症、半盲、めいなどが起こります。


原因

喫煙、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧など。


診断

CT検査で黒い影が見られた場合、脳梗塞と診断できます。
3つの精密検査を行うことが重要です。

MRI
過去の梗塞状態を診断できます。
脳血流シンチグラム(SPECT)
現在の脳血流を正確に診断できます。
MRA
脳の動脈を検査でき、将来の危険性を調べることができます。

治療

発症したばかりの脳梗塞の場合の治療は、内科的な薬物療法が主になります。手術が必要な場合とは、極度の梗塞のために生命の危険がある時だけです。

予防

予防は、抗血小板薬(アスピリン・チクロピジン・クロピドグレル・シロスタゾール・ジピリダモールなど)によってアテロームの成長を抑制すること、高血圧・糖尿病・脂質異常症は原疾患に対する加療・コントロールを行うこと、また飲水を心がけて血流を良好に保つことである。


塞栓性(脳塞栓症)

脳塞栓症は、心臓や頸部の動脈分岐部にできた血栓がはがれ血流にのり、脳の動脈に詰まるため起こります。それまで健常だった血流が突然閉塞するため、壊死範囲はより大きく、症状はより激烈になる傾向がある。また塞栓は複数生じることがあるので、病巣が多発することもよくある。


症状

脳塞栓症は、突然発症します。症状は脳血栓症と同じように半身の運動麻痺や感覚障害、あるいは失語症や半盲がみられます。
痙攣を生じることも多く、後遺症としててんかんがのこることもあります。

原因

原因として最も多いのは心臓で生成する血栓であり、そのほとんどは不整脈(心房細動)に起因する心原性脳塞栓である。このほか、ちぎれた腫瘍が流れてきて詰まる腫瘍塞栓や脂肪塞栓・空気塞栓などもこれに含まれるが、稀な原因である。

診断

CT検査では当初、黒い影が見られ、血栓が溶けて流れると出血し、CTに白い影があらわれます。精密検査のために脳血栓症と同様にMRI、SPECTを行います。

治療

急性期には、脳のむくみを取るためにグリセオールを使用します。脳閉塞が始まって3時間以内ならt-PAの点滴で劇的に改善する場合もあります。しかし、この治療法は現段階では国際的には認められてるが、日本では未だ認められていません。脳塞栓には、エダラボンという脳保護薬を投与します。これは、脳閉塞になると別の血栓を作り脳細胞を破壊する活性酸素を除去し、脳の障害を防ぐためです。

予防

心房細動がある場合は、脳塞栓症を予防するためにワルファリンカリウムという血液凝固薬を服用し、毎月血液検査をします。また、服用時には、トマト、ほうれん草、納豆、クロレラなどビタミンKを豊富に含む食品は避けます。


ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は本来、直径15mm以下の小さな梗塞を意味する。しかし、この梗塞は上記の2種類とは違った機序が関わっているとみられていることからそれ自体がひとつの分類となっている。
主に中大脳動脈や後大脳動脈の穿通枝が硝子変性を起こして閉塞するという機序による。ただし中大脳動脈穿通枝のうち、レンズ核線状体動脈の閉塞では、線状体内包梗塞と呼ばれる径20mm以上の梗塞となることがあります。

症状

片麻痺や感覚麻痺・同名半盲などの症状が現れることもありますが、軽度または限定されたものであることが多く、まったく無症状であることも多い。意識障害を認めることはほとんどなく、失語症、半側空間無視、病態失認といった神経心理学的な症候(皮質症候)も通常は見られない。